ルアーで狙える海の美味しい魚を季節ごとに紹介

漁港、堤防、サーフなどのショア(陸)からルアーでは四季ごとに違った魚が狙えるのが海釣りの大きな魅力の一つです。
そして釣れる魚であっても季節によって食味が変わってきます。
食べて美味しく、狙いやすいルアーターゲットを季節ごとに紹介していきます。

春は多くの魚が産卵期を迎えると同時に、水温の上昇により魚の活性も上がってくる季節。
産卵のために接岸した個体が積極的にエサを追い始めます。

メバル

ワームや小型のプラグを使ったライトタックルで狙うメバリングは春が数の釣れる最盛期
メバリングに適したタックルとしてULクラスの柔らかいロッドを使い、1g前後のジグヘッドに1.5~2インチ程度のワームで狙います。
夜釣りの常夜灯周りが基本になり、漁港内から手軽に狙えて食べても美味しい魚です。
刺身、煮付け、ムニエル、唐揚げ、カルパッチョなどで美味しく食べられます。

アオリイカ

春のアオリイカエギングは産卵のために接岸した大型の親イカがターゲット。
秋の小イカと違って釣るのは難しく、中級者以上向けとも言える釣りです。
主な時期は水温が上がり始める4月末頃からで、産卵行動に入り切る前がベストシーズン。
この時期ではキロアップが狙えるため1杯だけでも食べ応えがあります。
イカの王様、釣り人の特権と言われるほどで食味は良く、刺身で食べるのが定番ですが加熱しても美味しいです。

コウイカ(スミイカ)

コウイカはアオリイカと同様に春になると大型が釣れ始めます。
エギで狙いますがコウイカは砂泥質の底に付いているので、底が探れるようにナス型オモリを付けたりダウンショットリグのような形にカスタムして使われます。
狙う際には底にいる事を意識してアクションしましょう。

ヒラメ

マゴチより少し早くヒラメの接岸が始まります。
晩春から初夏頃にはサーフから狙いやすく、ワーム、ミノー、ペンシル、メタルジグを使って釣るのが一般的で、産卵を控えている型の良い個体が狙える時期です。
夏に入ってしまうと水温が高すぎるために浅場では釣れにくくなります。
高級魚であり食味は抜群に良く、刺身、昆布締めは絶品。

夏頃になると多くの小魚が釣れ始めます。
それらの小魚を捕食しに来る大きな魚が狙える時期です。
しかし高い水温が苦手な魚は深場に落ちてしまうので釣れづらくなります。
日中は暑すぎるので快適な温度になる夜釣りもおすすめです。

マゴチ

晩春に接岸して来てヒラメと同時期に狙えますが、ヒラメと違って旬は夏
浮き上がる事もあるヒラメと比べるとほぼ底を狙った釣りになります。
夏の個体は「照りゴチ」と呼ばれ高級魚とされています。
食べ方は刺身と唐揚げがおすすめ。

スズキ(シーバス)

一年を通して狙える人気のルアーターゲットですが、最も旬な時期は夏とされています。
イワシなど多くのベイトを捕食した夏のスズキは脂が乗っていて美味しいです。
シーバスは河口を越えて河川まで行くほどに適応能力があり、河口で釣れる居着きの個体は臭みが強く全く食用には向かないので、美味しく食べたいなら外洋で狙う回遊型が良いでしょう。

マダコ

夏は漁港でもマダコが狙えるハイシーズン。
張り付かれないようにゴリ巻き出来るよう、パワーのあるベイトリールと固い竿にPEを使います。
タコジグやタコエギなどを使って岸壁を練り歩きながら探ったりするほか、キャスト可能なタイプもあります。
マダコは食用として一般的であり、色々な料理で美味しく食べられます。

ハタ類

夏のロックフィッシュゲームはハタ類が熱くなります。
ワームやメタルジグを使って釣ること可能です。
マハタ、アカハタ、アオハタ、キジハタ、オオモンハタなどがメインターゲット。
南の暖かい地域には多く生息していて、ハタをメインにしたロックフィッシュゲームが楽しめます。
太平洋側に多く生息していて、日本海側の寒い地域では厳しくなります。
カサゴなどの根魚と比べて大型に成長するのも魅力で、釣って楽しく食べて美味しい魚です。

秋は暑さが落ち着いて沖へ行っていた魚が戻ってきます。
春の産卵シーズンに生まれた個体も釣れる大きさになってくる頃で、大小入り混じって様々な魚が釣れる季節です。

アオリイカ

秋のアオリイカエギングは初心者でも釣れやすいとあって人気が高い釣りです。
春に産卵された小イカがターゲットとなり、エギで釣れるようになってからも少しづつ大きくなるので秋イカでもシーズン初期と後期では有効なエギの号数が変わります。
シーズン初期の2.0号くらいが有効なアオリイカは食べるには小さいですが、大きくなるほどスレて釣れづらくなりますので、食べる事を考えれば2.5号~3.0号を使ったシーズン中期くらいがおすすめです。
大きな春イカと比べて身が柔らかく、刺身では秋イカの方が好きという人も多いです。
刺身の他にも天ぷらなどは絶品です。

青物

9~10月頃から釣れ始めて、長い所では12月までがショアジギングで多くの青物が狙えるハイシーズン。
ライトショアジギング程度のタックルで堤防やサーフから出来るのでルアー釣り初心者の方も比較的やりやすい釣りです 。
秋以降の寒い時期の青物は夏の青物に比べて脂が乗っており、食味のいい季節になります。
釣れる魚種や細かな時期は地域により変わりますので、初心者の方は特に情報を得てからの釣行をおすすめします。
メタルジグの他、バイブレーションやミノーでも釣ることが出来ます。
30cm程度の小型から時に80cmを超える大型が掛かるのが大きな魅力で、大きい青物は可食部が多いだけでなく、脂の乗りも小型のものとはまるで違ってきます。

カマス

サンマのような見た目に鋭い歯を持つフィッシュイーターで、ルアーで狙われることの多い魚です。
秋には脂の乗ってきた30cm程度のカマスが狙えます。
赤カマスヤマトカマスの2種が存在しますが赤カマスの方は大型で旨味が強く、ヤマトカマスは少し小型で最大35cm程度、味はアカカマスに劣ると言われています。
カマスは回遊魚で群れで行動しますので、大きな群れにあたれば爆釣もあり得ます。
ミノーやバイブ系の小型プラグ、ジグヘッドリグで狙えるほか、ジグサビキにも良く反応します。
開いて干物塩焼きにして食べられる事が多いですが、新鮮なものは刺身も美味です。
ちなみに広島地方の言葉で「カマスの焼き食い一升飯」(焼いたカマスで一升のご飯が食べられる)という言葉があります。

イイダコ

10cm~最大でも30cmにしかならない小さなタコで、足の付け根に金色の斑紋があるのが特徴。
名前の語源は卵が米粒のように見えることからイイ(飯)ダコというのが定説。
産卵に備えて秋頃(9~10月)に浅瀬にやってきます。
小さいのでエギングロッド程度を使った比較的ライトなタックルで狙うことが出来ます。
ルアーではタコエギやスッテを使うのが一般的で、サビキの下にスッテを付けたりする事でも釣れます。
昔から食用として親しまれているタコで、煮付け、唐揚げ、タコ飯など色々な方法で美味しく食べられます。

ヒラメ

夏を終え、水温が下がってくる10月頃から再びヒラメのベストシーズンを迎えます。
冬になってしまうとショアからは釣れなくなるので、この寒くなるまでの間が狙い時です。
青物の回遊の時期と被るので、同時に狙う事が出来ます。
夏が過ぎ、寒さが近づく毎により美味しくなります。

アジ

1年を通してチャンスのあるアジングで一番の最盛期が秋です。
始めてアジングをする場合にもおすすめの季節で、夜かマズメが狙い時。
アジングはメバリングと並び最もポピュラーなライトルアーゲームですが、非常に奥が深い釣りでもあります。
極細ラインに1g前後のジグヘッド+2インチ前後のワームというタックルでの繊細な駆け引きはエサで釣るのとは違った面白さがあり、釣れた時の喜びもひとしおです。
アジの語源である「味が良い」とある通り、言うまでもなく美味しい魚です。
アジフライなめろうはもちろんの事、型が良ければ刺身も絶品です。

タチウオ

タチウオもルアーゲームで人気の魚種。
エサではウキ釣りやテンヤが有名ですが、ルアーではメタルジグワインド釣法で狙う事が多いです。
夜行性の為、夜釣りかエサを追うマズメ時が良く、夜にグローメタルジグを使っても釣れます。

夜釣りで使えるメタルジグ

夜釣り向けにケミホタルを入れられるタイプのメタルジグも発売されています。

捕食が下手なことで知られていて、当たっても掛からないこともしばしば。
そんな時はフックを変えて対策するのが良いです。
足が速いので早めに調理しましょう。
うろこが無いので下処理は簡単、骨は骨せんべいにして食べられます。
身は柔らかく、焼く系の料理によく合います。



1年の中で最も釣果が渋くなるのが冬。
初冬まではまだ色々な魚種が狙えますが、真冬に入ると釣れる魚種は限定的です。
魚が美味しい季節ではあるものの、水温の低下により魚の活性は下がり、多くの魚は深場へ落ちてしまうためショアからの釣りは難しくなります。
釣れる魚種の少ない季節なので特定の魚種に的を絞って狙うことで釣果を上げやすくなります。

アイナメ

アイナメは低い水温を好み、気温の低い北海道では通年狙える事で知られている根魚です。
産卵の為に冬頃に接岸し始め、大体11月くらいから釣れ始めます。
最大で60cm以上に成長しますが、釣れるのは30~40cm程度が主です。
多くの魚が釣れづらくなる冬には貴重なターゲットであり、高級魚で食味も抜群。
地磯やゴロタが狙いやすいポイントのため、その場合は重めのシンカーを使ったテキサスリグなどが有効です。
よく似た魚に「クジメ」がいますが、アイナメより暖かい水温を好み、釣れるサイズも小さいです。
見分けるのは難しいですが、尾ヒレ、側線、口の形などが違っています。

カサゴ

アイナメ同様、冬に狙える貴重なターゲットです。
カサゴは根魚としては最もポピュラーで、基本的に一年中狙う事が出来て、中でも産卵期である冬は大型の個体が釣れる可能性があります。
かなり大きな個体でも30cm程度なので、ライトなタックルで狙う事が可能です。
カサゴを含めた根魚はポイント選びが明暗を分けるので、岩礁の入った場所をピンポイントで探ることが釣果に繋がります。
美味しく食べるには塩焼き、唐揚げ、味噌汁がおすすめ。

メバル

メバルは比較的低めの水温を好む魚で、晩秋から適温に近づき冬の間の1月頃まで、春ほどでは無いものの釣りやすい魚です。

ヒイカ

ヒイカは別名チビイカとも呼ばれる小型のイカ。
一年中釣れる言われますが冬に良く釣れ、漁港など手軽な場所で狙えます。
エギングではアジングロッド程度のライトタックルに1.5~2.0号の小さなエギを使います。
小さいイカですが群れに当たれば数釣りも可能です。
旬が無く1年中美味しいと言われていて、身は柔らかく丸ごと食べられます。