カブクワブリーダーにとって厄介な酸欠問題。
飼育過程で酸欠が起こりやすい幼虫飼育について語られることが多いですが、自分の体験談から成虫の酸欠状態の特徴を記しておきます。
カブト、クワガタが固まって動かない…酸欠による仮死状態かも
マット上に成虫が出てきていてカチカチに固まって動かないようであれば死んでいる可能性もありますが、酸欠によって仮死状態になっている可能性も考えられます。
もしこのような状態で見つかった場合、↓以下の状態に当てはまれば酸欠を疑ってもいいかもしれないです。
- 昨日、あるいは直前までは元気だった
- 産卵セットに入れるなどマットを入れ替えた後になった
- マットから発酵臭がする
- 固まっているけど成虫のフセツ(足)や口はわずかに動いている
成虫が酸欠になった時の対処法
まず成虫を取り出し、何かの入れ物に入れます。※通気をよくするためにフタはしません。
この際、酸欠状態のケースから取り出すと、固まっていた関節が少し柔らかくなる事があります。
成虫を裏側を上にして置き、手足を観察してみて動きがあるかを確認します。
少しでも動いていればそのままにして置いておくと段々と動きが増えてきて、30分くらいかけて元の状態に戻ります。
完全に元気になるまではそっとしておいてあげましょう。
もし全く動きが無く時間が経っても変わらない場合は残念ながら死んでいる可能性が高いでしょう。
仮死状態後の後遺症は?
酸欠で丸一日程度仮死状態になった後に復活した個体を何回か見てきましたが、弱ったり麻痺したりといった身体的異常は見たことが無いです。
しかし生殖機能(有精卵を産む)については検証が出来ていない為不明です。
酸欠にならないために
酸欠の主な原因はマットに起因するものだと思います。
マットが発酵する→発生したガスに対して通気の逃げ場が少ない、というのがケースのほとんどでは無いでしょうか。
成虫管理用に少量のマットしか入っていない、あるいは針葉樹マットやおがくずなど発酵しないものが入っている場合には、タッパーなどの密閉容器にいくつかの小さい通気孔だけであっても酸欠を起こすことはまず無いと思います。
やはり産卵セットなどの容器の容量に対して多く固く詰める状態ではリスクが高くなりやすいという事ではないでしょうか。
あとは再発酵したマットをそのまま使っている、あるいは温度の変化や加水によって途中で再発酵した。
この辺は基本なので気にされてる方は多いと思います。
個人的経験から言えること
私が経験して思ったのはまず容器(特にダイソータッパーなどの密閉容器)の通気孔は数か所に散らして多めに開けるに越したことは無いということ。
あとはブリード用のメタルラックなどカブクワを管理している場所を保温のためビニールシートなどをかぶせたりすると空気が動きにくいようで急激に酸欠率が高くなります。※密閉状態ではありません
ビニールを掛けたり養生らしきことをする場合は、空気の流れをしっかり作ることをお勧めします。
私は養生しているラックは正面部、天井部を切り取り、網戸用の網でメッシュにして流れを作っています。
対策のまとめ
- しっかり通気孔を開けておく(コバエはタイペストシールで対策)
- 置き場(ラックなど)の空気の流れも作る
- マットはガス抜きをして森の土の匂いになったのを確認する
- 産卵セットなどは作った後1日程度慣らしてから投入する