バイブレーションとは
バイブレーションはよく知れたルアーなのでルアーフィッシング初心者の方でも知っているのではないでしょうか。
バイブレーションを簡単に説明すると巻く事で体をブルブルと震わせながら泳ぐルアー。
重心とアイ(スナップの結び目)と水を受けるボディ形状によって小刻みに揺れながら泳ぐため他のルアーには出せないアピールをしてくれます。
バイブレーションの種類
バイブレーションは大きく分けると3種類存在します。
鉄板系
鉄板バイブとかメタルバイブと呼ばれるものです。
メタルジグのように重さがあり、薄っぺらく出来ていますので高いフラッシング効果とバイブレーションでは一番の飛距離が出せますが、樹脂、シリコン製と違いあまりスローには巻けません。
しかし沈みが早く浮き上がりにくいので早巻きやボトムを攻略するのに適しています。
青物ゲームで使うバイブレーション=メタルバイブという認識が一般的だと思います。
樹脂系
バイブレーション界ではスタンダードなのが樹脂(プラスチック)製。
フラッシング系からナチュラル系までカラーリングも様々で、20g前後だとシーバス向けとして発売されているものが多いですが勿論青物、フラットフィッシュなどもよく釣れます。
扱いやすく、種類も豊富でオールラウンドに使えます。
シリコン製
主にシーバスゲームで人気のシリコン製。
ソフトなシリコン素材のお陰で水噛みが良く他のバイブレーションに比べてフィッシュライクでナチュラルなアピールが可能。
青物といえばメタルジグ
堤防から気軽に青物狙いとなればライトショアジギングとして20~40gくらいのメタルジグを中心に使う人が多いです。
理由はメタルジグはルアーの中で圧倒的に飛距離が出ること、そして青物がメタルジグへの反応が良い事が主に挙げられます。
青物はポイントによって手前に回遊していない事も多いので、遠くから手前までを探れることは大きなアドバンテージとなります。
一方でバイブレーションは背中にアイが付いており、重心は頭側に固まっています。
当然ながら飛距離はメタルジグより圧倒的に劣ってしまいます。
なぜ青物にバイブレーションがおすすめなのか?
ではわざわざバイブレーションを使うメリットとは何なのでしょうか。
ここまで初心者にもお勧めするのは理由があります。
ただ巻き性能の高さ
大体どのルアーであってもただ巻きでの釣り方は存在します(メタルジグも含め)が、ルアーにはそれぞれ性質があり、ただ巻き一辺倒では釣れない事も多いのです。
その中で言うとバイブレーションはただ巻き「が」釣れるルアー。
下手なアクションをするよりも泳ぐ程度の速さのただ巻き~早巻きで誘う方が反応がよく、しても時々止めたり速さを変えるくらいのアクションが最も有効になります。
メタルジグはしゃくってから落とすリフト&フォールが基本で、他にも早巻きしたり、一定感覚でリフトさせレンジ(海中の層)をキープしながら誘う方法などもあります。
一方でポイントの地形を把握する事や、底を取る感覚を掴めないと根掛してしまうため、ロストしやすいルアーです。
中には岩礁と根が多くフォールさせることすら難しい釣り場もあります。
ミノーでは難しいレンジキープ能力
青物はミノーでもよく釣れます。
バイブレーションと同じくただ巻きがメインとなり、場合によってジャーキング(ロッドを強めに煽る)やストップ&ゴー(巻いて止める)がアクションの要となります。
ただ、ミノーは浮き上がりやすく、ただ巻いてると上の層まで出てきてしまうため、下層~中層をキープして泳がせることが出来ません。
底近くや中層に青物がいた場合、よく分からないまま巻いていても釣果には結び付かない可能性があります。
そうした調節を意識した釣りは初心者には面倒で、浮き上がりにくくレンジキープしやすいバイブレーションはおすすめです。
「沈めてからただ巻く」という分かりやすい方法で真価を発揮してくれるルアーなのです。
ジグでは反応しなかった魚も釣れる
ショアジギングでは飛距離=釣果、という認識は間違っていないと思います。
先述したように探る範囲が広くなることで当然青物の回遊に当たりやすくなるわけです。
それに青物は群れが入って時合い(魚の食事タイム)が来ればどのルアーでも反応するような時があり、そんな状況では横も縦も広く探れるメタルジグは有効です。
しかし青物にも反応が渋い時は当然あります。
1人あたり1~2本釣れるならまだいい方で、釣れる人が見渡す限り1人~2人だけなんて事もあります。
つまり、青物が多少なり居るのに食ってこない状況です。
筆者はそんな状況でバイブレーションで自分だけ釣れる、というのを何度も経験しており、バイブレーションは必携してます。
特に低~中速巻きでハイアピール出来る樹脂製のバイブレーションは濁りが入って視界が悪く中々食ってこない青物に特に有効だと感じます。
小刻みなフラッシングと強い波動を出しながらスローに巻ける事でジグでは反応しなかった魚が釣れる可能性があります。
アタリが取りやすい
巻物系のルアーの強みの1つがアタリの取りやすさです。
常にテンションがかかった状態なのでアタリを見逃す事はまずありません。
また糸ふけの出るメタルジグに比べてタチウオやサゴシの歯でラインを切られてしまう確率も下がります。
フォール中のアタリはラインの動きを見るかある程度テンションを掛けた状態でないと取れないので、慣れない人には以外と扱いづらいです。
特にタチウオなど補食にクセのある魚はアワセを入れないと針掛かりしない事が多いのでアタリを見逃してしまえば釣れたはずの魚も釣れなくなってしまいます。
小型ボディであるというメリット
釣りにはルアーサイズと魚が餌として補食している魚のサイズが一致している事をマッチザベイトという言葉で表現する通り、魚が捕食しているベイトフィッシュのサイズに合わせてルアーを選定するのが基本です。
ベイトを見極めてサイズを合わせることで急にルアーに食いついてくる事があります。
釣りにおいて「大は小を兼ねる」という考え方は無謀で、どちらかと言えば「小は大を兼ねる」と言えると思います。
理由はごく単純で小さな魚は大きめの魚を食べずともその逆はありえるから、です。
中にはこんな大きな魚(ルアー)食べないだろ!というような魚も掛かることはありますが狙って釣れるようなものでもありません。
バイブレーションは構造上ウェイトに対してルアーのサイズが小さく、20g程度の樹脂製なら70mm前後です。
メタルジグよりは大きいものの、よりスローにアピール出来て多くの魚にベイトとして認識されやすいサイズなのは強みと言えます。
おすすめのバイブレーションメソッド
意外にも青物というのはそんなに遠くない場所を回遊していたりします。
まずは遠投できるMAX28gくらいのメタルバイブを投げて魚の活性を確かめます。
着水したら秒数のカウントを取って巻いていきます。
最初は着水してすぐの表層付近、それからはカウント数を増やしながらボトム(底)の方まで探ります。
それでも反応が無かったら17~25gくらいの樹脂製のバイブレーションをブルブルと泳ぐ程度の遅めの速度~早めの巻き速度の間で使うのがおすすめ。
軽すぎると水深のある場所で使い辛くなり青物用のタックルで操作感を掴みにくく、逆に重すぎては沈みが早かったり樹脂製の良さが薄れてしまいます。
濁りが入っていたら日の出ているデイゲームであってもあまり速くない速度で巻いて来ると反応を得られる事が多いと思います。
20gくらいのバイブレーションならエギングロッドやMLのシーバスロッドでも扱いやすく、シーズンが被るエギング釣行時でも使用出来ます。
ボトムを集中的に攻めたい時か、遠投が必要なポイントだと分かっている時はやはりメタルバイブで攻めてみましょう。
メタルバイブは比重が高いので着底の感覚が分かりやすく浮き上がりも起きにくいので、着底させてからただ巻いて来る使い方でボトム付近を探って来る事が可能です。
また、水深が分かっているならそれに合わせて重さを変えるのは有効で、水深4m以下くらいのエリアでは樹脂製で15g程度が扱いやすくなってきます。
ロッドを固定して巻く
バイブレーションをただ巻く重要なコツですがロッドをブレないように竿先を動かさずに巻きましょう。
ロッドを固定する事でブルブルという巻き感(竿先の動きと手に伝わる振動)をスローでも感じ取りやすくなります。
手だけで固定しようとするとリールを巻く際にブレてしまうので自分に合うように体を使って固定するのがおすすめです。
おすすめのバイブレーションルアー
Blue Blue(ブルーブルー) ナレージ
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
50mm | 12g | #10 |
65mm | 17g | #8 |
17gの樹脂製バイブレーション。
特徴的なのが、リップが付いているという点で、スロー巻きでもしっかりアクションし、水平姿勢に近い体勢で泳いでくれるバイブレーションです。
ロンジン キックビート
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
55mm | 12g | #10 |
70mm | 20g | #8 |
キックビートは上下のヒレによって強い波動を生み出すため、抜群のアピールを誇ります。
視界の悪い濁り時には波動によってアピールすることで他のバイブレーションにはないアピールが可能です。
TAKAMIYA(タカミヤ) REALMETHOD NABURA SHOT FIN VIB
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
70mm | 14g | |
90mm | 24g |
細身のボディに大きなフィンが特徴のバイブレーション、ナブラショットです。
70で15g、90で24gとなります。
独自の細身ボディを持つので太いルアーを食わないカマスなどもよく釣れます。
ベイトが細く小さい場合に特に使いたいルアーです。
価格が安いのでコスパ重視の場合にもおすすめ。
SHIMANO(シマノ) エクスセンス サルベージXV
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
60mm | 12g | #10 |
70mm | 16g | #6 |
70mm(ES) | 20g | #6 |
85mm | 21g | #5 |
85mm(ES) | 27g | #5 |
シマノのエクスセンスブランドからのバイブレーションです。
性能は全体的に優等生で、バイブレーションらしい王道のアクションをしてくれるという印象。
特徴としてキョウリンと付くカラーはシマノ独自の狂鱗ホログラムが施されており、強烈なフラッシング効果が期待出来るので青物にも効果抜群です。
bassday(バスデイ) レンジバイブ
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
45mm | 6.3g | #10 |
55mm | 10g | #8 |
70mm | 15g | #8 |
80mm | 23g | #6 |
90mm | 28g | #5 |
100mm | 33g | #3 |
200万個以上売り上げているシーバス界のキングオブバイブレーションとも言えるバスデイのレンジバイブ。
人気の理由は数多くのアングラーに愛されるほどの釣果実績にあります。
jackall(ジャッカル) ビッグバッカー
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
82mm | 25g | #8 |
107mm | 27g | #8 |
青物メタルバイブでは定番ルアーの1つと言えるのがビッグバッカーシリーズです。
ビッグバッカーはタイトなアクションと派手なフラッシングアピールで青物のリアクションバイト(魚が反射的に捕食してくる事)を誘発してくれます。
27gのビッグバッカー107は長いフォルムによってさらに強烈なアピールをしてくれるので活性の高い日のサーチルアーとしてもおすすめです。
カラーラインナップも多く、青物用のメタルバイブはこれ一つでも事足りると言ってもいいくらい出番が多いルアーです。
jackson(ジャクソン) 鉄板バイブ
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
48mm | 9g | #12 |
55mm | 14g | #12 |
63mm | 20g | #10 |
72mm | 26g | #8 |
「安くて釣れるメタルバイブ」といったらジャクソンの鉄板バイブです。
特徴は背中にあるスリット。
これによって安定したフォールが可能なため、通常のメタルバイブよりフォールの反応が良く、メタルバイブにありがちなフックが背中に絡むトラブルも減ります。
鼻先の部分にはボトムバンパーという突起物が付いているのでボトムを泳がせていて岩などに当たった際に変形してしまうなどのダメージを軽減してくれます。
欠点は塗装の弱さで、1日でボロボロになる事も少なくありません。
ウレタンのどぶづけコーティングでホログラムが割れた経験があるので、コーティングしたい場合は水性のウレタンなどがお勧めです。
筆者はボロボロになったものは塗装をリメイクして使っています。
MADNESS(マドネス)シリテンバイブ
サイズラインナップ | ウェイト | 標準装備フック |
33mm | 2.3g | #14 |
43mm | 4.5g | #14 |
53mm | 8.5g | #10 |
73mm | 17g | #8 |
80mm | 28g | #6 |
93mm | 28g | #6 |
シリコン製バイブと言えばこのシリテンバイブ。
シリテンバイブはルアーに対してスレた魚に絶大な効果を発揮するバイブレーションとして人気です。
シリコン素材によるフィッシュライクなアクションと、針の音がほとんどしない静音性によって魚に警戒されにくいという長所があります。
フラッシングとナチュラルさを併せ持つ銀粉カラーは青物に特におすすめです。
サイズラインナップは2.3g~なのでライトゲームからも使えます。