今回は渓流ルアーを始めて日の浅い初心者、もしくは渓流ルアーの選び方、使い方がいまい分からず釣れ悩んでいる方向けの記事です。
他の釣りよりも釣れやすく答え合わせの早いこの釣りでは経験するほどに自分なりに答えが見えてくるものですが、ある程度の筋道があったほうが断然理解も早いはずです。
今回は筆者の独断に基づいた理論で行なっている釣り方を解説します。
渓流ルアーの使い分け
主軸はミノーとスプーン
トラウトフィッシングといえば王道であるのがスプーン。
渓流釣りのスプーンはポイントによってウェイトを変えて流れに乗せたり、ドリフト、フォールなど多彩なアクションが可能です。
トラウトルアーの元祖であり、代名詞ですね。
そして、日本の渓流ルアーといえばやはりミノーのイメージが強いのではないでしょうか。
渓流でいうところのミノーとは基本的に流れに負けないヘビーシンキングミノーの事。
フローティングタイプは使い所が限られてくるのでまた別の種類のルアーと捉えた方がいいと思います。
この2種のルアーを主軸として渓流のほとんどのポイントは攻められると筆者は考えます。
渓流ルアー選びの基準
まず前提として、魚にルアーを見せること、見切られないように流すこと、この2つを意識します。
釣れる水中のイメージを作り、その場面でイメージ通りに動かすにはどんなルアーが良いかを考えることが必要になります。
ミノーとスプーンはそれぞれ違った性質を持つルアーなのでひとまずルアー選びの判断基準となる例を出します。
魚種でアプローチを変える
例えばヤマメ、アマゴとイワナでは釣り方は変わります。
同じようにアクションしても釣れるのですが、それぞれに合わせた誘いをするかどうかで獲れる魚、取れない魚は確実にいます。
端的に言ってしまうと基本的にヤマメは警戒しやすく見切りやすいのでスピーディな誘いも有効ですが、イワナは物陰に隠れている場合が多く、しっかりルアーを見せる事が必要になってきます。
イワナはスローに誘ってもしっかり出ますし、足元まで追ってきて喰うことも珍しくありません。
足元で食い切らなかった個体も完全に見切らなければ足元にルアーを落とせばまた追ってきます。
緩やかな流れでミドル~ボトムレンジを強いアピールでスローに引くことが出来るのはスプーンの強みでしょう。
ポイントで考える
次にポイント、つまり水深と流れの強さでルアーを考えます。
基本的に深くて流れが強いほど重いルアーが有効です。
私は小渓流であれば4gのルアーを基準に、水深と流れで重くしたり軽くしたりしています。
物理的に強い水流の中を流すということはより重い、水抵抗に強いルアーが必要になります。
魚の活性
もう一つ、ルアー選びの基準になるのが魚の活性。
シーズンや時間帯における水温の変化、特にルアーで釣るのが厳しいシーズン初期ではルアー選定がカギです。
解禁月の3月に5〜6月のハイシーズンの要領で表層のキビキビとした誘いをしても中々釣果は出ないでしょう。
雪解け水の多い地域では水量もグンと上がり、誘いにも工夫が必要です。
ミノーの使い方
基本はトゥイッチング
渓流ミノーのアクションはアップ(上流側)かアップクロス(上流側に斜め)にキャストして小刻みなトゥイッチングをしながら流れに呑まれないように巻くのが基本。
トゥイッチを入れることで体制を崩し、腹を見せる魚のようギラギラとヒラを打つミノーに渓流魚はアタックしてきます。
その他で私が使う事の多いアクションは以下の通り。
- 早巻き+キビキビとした強めのトゥイッチングによるリアクションバイトの誘発
- 大きめにトゥイッチを数回→止める、ルアーを長く見せる静を意識したアクション
- 流れに乗せてクロス〜ダウンにカーブしながら巻きではなく水流でアクションさせる
水流の強い瀬などのポイントではアップ(上流側)に投げてもアクションする間もなく流されてしまいますが、横方向にもアクション出来るようにアップクロス(上流側に斜めに投げる)や、岩などの地形変化で水流が緩くなっている所を引いてみます。
水深もある時には1〜2g程度重いミノーを使う事で流されたり浮き上がりにくく、ある程度トゥイッチングでもアピール出来るようになるでしょう。
また、着水後のフォール時間を長めに取り、アクションを抑える事でも浮きにくくなるので狙う層でそういった工夫をしてみるのも良いです。
逆に魚の前でフォールを長く取りすぎると見切られてしまうので特に活性が高いハイシーズンにはアクションの合間のステイ、フォールは長くない方が有効です。
もし魚の反応が感じられないと思えば臨機応変に変えていく事が釣果に繋がるでしょう。
時にはクロスに投げてダウンクロス(下流側斜め)になるように引いたりしても良いです。
ダウンになると浮き上がりやすいので竿先を下げ、トゥイッチを小さくしたり、ただ巻きにする事でうまく引けます。
スプーンの使い方
スプーンは浮き上がりやすいルアーです。
スプーンがバタバタとアクションするよう、重さに対して竿の角度、巻き速度を調整しながら巻くのが基本アクション。
フラッシングによるアピールが強く、ミノーよりスローなアクションが得意なので私はイワナ狙いでは多様することが多いですね。
物によって得意な巻きスピードやアクションの大きさは変わってくるため、同ウェイトでもいくつか種類別に持っておくのがオススメ。
スプーンの形は一見あまり違わないようにも見えますが、アクションは全然違います。
水の抵抗を受けバイブレーションのように高速でブルブルしてしまうようなアクションでは反応が良くないです。
私的にベストなのはバタバタとしながら左右にイレギュラーな動きも起こる流し方。
これはルアーのチョイスと水流に対しての適度な巻きスピードで可能になります。
はじめは感覚が分からないと思いますが、まずはアップクロスを基本にして投げてみてください。
ルアーが左右に振れるブルブルした手元の感覚があって、泳いでいるルアーを目で見て少し生命感のあるような不規則な動きであればベスト。
流れてくるルアーを目で見て早く流れ過ぎてしまったり、あるいはゆっくりすぎて泳がない、底を擦ってしまって根掛かりするリスクに繋がってしまう、といったことを視覚と手の感覚を頼りに覚えていってみましょう。
ダウンの流し方
ダウンでこのアクションを実現するにはアクションの幅が大きめなスプーンで、同じポイントでもアップで流す時より重いルアーを使います。
クロス〜ダウンクロスでラインテンションを掛け、水面からスプーンが飛び出さないようにゆっくり巻き、魚の着きそうな場所に通るように流します。
浮き上がる時には竿先を下げて対応しましょう。
渓流におすすめのスプーン
アングラーズシステム/バックス
筆者一番のお気に入りスプーンです。
引き抵抗が強く、浮き上がりにくくハイアピールができるスプーンで、ネイティブトラウト用特攻ルアーだと思います。
ムカイ/山女魚スプーン
沈みにくいですが速い流れの中でもしっかりアピール出来るスプーンで名前の通りヤマメ、特に5、6月のハイシーズンに適した誘い方がしやすいルアーです。
ムカイ/岩魚スプーン
薄くて大きいシルエットでルアーをゆっくり、しっかり見せる岩魚に最適なルアーです。
個人的に8gは持っておきたいルアーです。
rapala(ラパラ)/ハスルアー
ラパラの名作ルアーです。
個人的に渓流スプーンを挙げるなら絶対に外せないルアーでしょう。
スローに巻けてアクションも形状通り大きくよく目立ちます。
渓流におすすめのミノー
SMITH(スミス)/D-コンタクト 50mm
王道の渓流ミノーです。
流れに負けず、綺麗なヒラ打ちアクションが得意なミノーで、オールラウンドに使えます。
メジャークラフト/エデン
メジャークラフトから出た比較的新しめの渓流ルアー。
他社より安くコスパ重視かと思いきやかなり使いやすくてお気に入りです。
50Hはヘビーウェイトで深めの場所や流れの強いポイントでも活躍します。
jackson(ジャクソン)/奏
長めのリップが付いていてただ巻き気味でもミドルレンジをキープしやすいミノーです。
筆者はダウンで出番が多いです。
深場で使うルアー
渓流には落ち込み、淵(ふち)、瀞(とろ)と呼ばれる深くなった地形の変化がありますね。
ゆるやかで水深のある淵や瀞ではボトム付近に魚が着くことが多いです。
ハイシーズンであれば水面まで浮き上がって捕食してくるものもいますが大抵の場合、ある程度沈めてからのほうがボトムの魚には効きます。
さらに水温が低い時、魚のやる気が薄い時には魚の近くにゆっくりルアーを通す事で反応するものもいます。
そんな魚相手の時には5〜8g程度の重いスプーンを沈めてただ巻き、竿先を弾いてからステイさせるリフト&フォールも有効。
重くて厚さのスプーンを使う時にはスナップを大きくしないと入らないので、大きい物に付け替えるか、もしくはスナップ自体がワイドなタイプを使うと大きめのルアーまで対応出来るので便利です。
ただ、あまりにも深いとラインが流されてどうしてもボトムが探れない場面が出てきます。
そんな時にはバイブレーションや、スピンテールジグなど浮き上がりにくいルアーだと深場で低層を引きやすく、揃えておけばディープ攻略で役立つ場面が出てくるはずです。
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